たきぎひろいに行ったとき声をかけてきた小僧。「相撲をやろうよ」というのですが、この小僧の正体は?
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むかしは今のように電気やガスがなかったので、子どもたちはよく親のいいつけで山へたきぎ拾いに行かされました。
あるとき、たきぎ拾いに行った子どもが神社にまつられている大きな石の近くを通りかかりました。すると石の上に見知らぬ小僧が乗っかっていて
「おーい、おいらと相撲をとらないか」
と言いました。
「相撲?だめだよ。山にたきぎ拾いに行かないといけないんだ」
子どもがこう答えると
「相撲が終わったらおいらが手伝うから。やろうよ」
と言います。
「それならいいよ。でも必ず手伝ってよ」
そう言って相撲を始めました。
二人とも同じくらいのちからでなかなか決着がつきません。ようやく小僧が勝ちました。小僧はとてもうれしそうでした。
そして
「楽しかったなあ。さあ約束通りたきぎ拾いにいこう」
小僧は先に立って山へ入って行きました。
小僧はたいへんすばしっこく働き、たきぎをたくさん集めてくれました。それから家に帰るまで小僧はなぜか手をかざしながらついてきました。
家の角までくると小僧が言いました。
「ここまでくれば、もういいだろう。おいらは帰るよ」
「うん、いいよ」
と子どもが答えると小僧の姿がふっと消えました。そのとたん、背中のたきぎが急に重くなり、子どもは音をたててその場にたおれてしまいました。見ると、たきぎが一人では背負えないほど大きな束になっていました。
それからというもの、岩の上から小僧に声をかけられたら、子どもたちは喜んで相撲をとりました。そしてたとえ自分のほうが強くてもわざと負けてやりました。
小僧が負ければくやしがってわめきちらすので大変だったし、小僧が勝てばたきぎ拾いを手伝ってくれたからです。
その時々にうまく調子をあわせて上手につきあえば、自分にも得なのだということが子どもたちもわかったのです。
この小僧の正体はだれにもわかりませんでした。きっと天狗(てんぐ)の子どもにちがいないとみんなでうわさしたそうです。
ポイント
むかしのくらしには木を使うことがたくさんありました。山の木は人にとって大切な宝ものでした。子どもたちも小さなころから木をひろったり、当たり前のように山にせっしていたものです。








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