お金もちの長者どのは、村の氏神様のお宮が立て直されたお祝いの日、そのお参りに出かけました。みえっぱりな長者どのは、りっぱに着かざり、たくさんの子分をつれ、そしてお金をギッシリと入れた千両箱をしいた道の上を歩きました。そんなお参りをした後、長者どのの家に起きたできごととは...?
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むかしむかし一條(いちじょう)村の園田藪(そのだやぶ)とよばれる所に、それはそれは大金持ちの長者どのが住んでいました。 二畝(ふたせ)もある広い池には、きれいな清水がいっぱいに満ちて、ひごいや金魚がたくさんおよいでいました。庭のつばきの木にはメジロが楽しく歌っていました。
さて今日は、一條村の氏神様のお宮が建て直されたお祝いの日です。長者どのはというと、やしきから氏神のはちまん様まで千両箱をしきならべたその上をりっぱに着かざってこしには大小の刀を差し、家族や家の子ろうとうを引き連れての参ぱいです。はちまん様の新しいしんでんよりも、長者どの出立ちの方が、村人たちの目をうばってしまいました。
それからほどなくして長者どのの家では、不幸なことが次つぎと起こり始めたのです。たった一人の息子が家を出たきり、行方不明になってしまいました。メジロやウグイスなどの鳥はよりつかなくなってしまい、フクロウやホトトギスなどの鳥がやってきては、気味悪い声で鳴くようになりました。あれほどきれいな清水のわく池も、いつとはなくかれてしまいました。 息子の行方も分からずじまいで、長者どのの一家がたえたといううわさが広がったのは、氏神様のお宮が新しく建ってから、まだ五年とはたっていませんでした。
長者どのはもとは久留米(くるめ)のおさむらいでしたが、あまりにもお金をそまつにあつかったために、神ばつがふったのだと、村人たちはお金をそまつにしないためのいましめの話として、今日に語りついできました。
文/岳野 住人
協力/広川町郷土史研究会(敬称略)
ポイント
あまりぜいたくなくらしをしたり、それを見せつけるようなたいどでいると、良くないことが起こることがあります。またお金を使いすぎるようなくらし方は、自然の生きものたちを遠ざけていくことがえがかれています。お金をたくさんかせいだときでも、周りの人々や自然への思いやりを持つことが大切です。








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