観音さまが赤くなるとこうずいになる・・ときいた男はみんなをびっくりさせてやれ、と石をわざと赤くぬります。男はみんなが大さわぎしているのをおもしろがってみていたのですが、そのあととんでもないことが・・。
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山あいのある村に丸い石がありました。なんてことのない、つるつるした丸い石ですが村の人たちはむかしから観音さまとよび大切にしてきました。そしてこの観音さまの顔が赤くなると、必ずこう水が出るといわれてきました。
この村に一人のいたずら者が住んでいました。ある日、村人をからかってやろうと思い、こっそり観音さまの顔を赤くぬっておきました。
そんなことを知らぬ村人の一人が、これを見つけてびっくり。
「観音さまの顔が赤くなっているぞー。たいへん、たいへん、観音さまの顔が赤くなっているぞー」
とさけびまわりました。
観音さまの所へ見にいったり、野山に働きに行っている者をよんできたり、静かな村は上を下への大さわぎになりました。
村人たちは家の道具をまとめ、牛や馬を引いて、高いところへ逃げました。いたずら者はみんなのあわてぶりを見て、腹をかかえておもしろがりました。
「おもしろいなあ。だまされたのも気づかずにあわてて逃げている。何日にげているつもりだろう。そろいもそろって、ばかばっかりだ」
そういって笑いながら家にねそべっていました。
ところがその日の夜から、おぼんをひっくり返したようなものすごい雨がふり出しました。
「ピカピカッ。ゴロゴロッ」
かみなりとものすごいいなびかり。大つぶの雨はひっきりなしに大地をたたきます。
何時間ふり続いたでしょうか。とつ然
「ドドーッ」
とものすごい谷鳴りがしたと思うと
「ゴオッ、ザザザアーッ」
大こう水がどっとおしよせてきました。
そして川も道も大地も、人も家も村中残らず洗い流してしまいました。
あっというまの出来事でした。
いたずら者は助かりませんでしたが、逃げていた村人たちはみんな助かったのです。
村人たちは
「だました男をこらしめるために観音さまが大こう水をおこしたにちがいない。悪いことは全部観音さまにはお見通しなのだ」
と前よりもこの観音さまを大事にまつるようになったということです。
ポイント
じめーっとした季節になると赤くかわる石があるそうです。この石もそのひとつかもしれません。石が大こう水を知らせてくれるはずなのに、人の考えでいたずらしたりむししたりするとたいへんなしっぺがえしをくらってしまいます。








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