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笑顔 きつねのおんがえし

キツネの恩返し

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まずしいむしろ織の男はいじめられている一ぴきのキツネにであいます。助けてあげるにはお金をはらえといわれた男は、そのまま行ってしまおうとするのですが・・。

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鈴木 万由香(すずき まゆこ)
かたりべ
鈴木 万由香さん
再生時間
4分0秒

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長崎県 キツネの恩返し

 むかし、まずしいむしろ織(お)りがいました。その男は毎ばんわらでむしろを織り、それを売ってなんとかくらしていました。

 ある日、いつものように町に行く途中(とちゅう)、子供たちが何かを取り囲んでさわいでいます。
 近づいてみると、小さな一ぴきの子ギツネがいじめられていました。かわいそうに思った男は
「その子ギツネをおれに売っておくれ」
と言いました。子供たちは
「今までかせいだお金を全部くれたら売ってやる」
と言います。
 お金を全部わたしてしまったら自分のくらしができなくなる、そう思いあきらめて行こうとしたのですが、ふり返ると子ギツネが
「助けてください」
という顔をしているようにみえました。
 男はたまらなくなり子供たちのところに引き返し
「わかった、お金をやるからキツネを渡しなさい」
とお金を全部子供らにやってしまいました。

「さあ、もうだいじょうぶ。山にお帰り」
そういって男は子ギツネをにがしてやりました。キツネはうれしそうにぴょんぴょんとはねながら、何度もふり返って山の中に消えていきました。
 
 何日かたったある日、男が町から帰る途中、石がきのへいの中から
「ぽーん」
何かが飛んできてドスンと道に落ちました。
 拾ってみるとなんとそれはお金の束でした。どうしてお金がふって来たのか、ふしぎに思っていると、とつ然
「どろぼう!」
とさけぶ声。
 びっくりしてお金をもったまま、ものすごいいきおいでにげてしまいました。

 村はずれまでかけて来た男がぜえぜえ息を切らしていると、わきのしげみがごそごそ、この前の子ギツネが顔を出しました。
 子ギツネはくすくす笑いながら
「そのお金はこの間助けてくれたお礼だよ」
と言いました。男はほっとしましたが、ちょっとムッとして
「だけど、どろぼうはひどいではないか。びっくりしたぞ」
と言い返しました。
 すると子ギツネが
「だって、あんたはいったんおれを買うのを、やめようとしただろう?あのときおれはとってもがっかりしたんだぞ」
その話を聞いた男は、たしかにそうだ、見すてられると思ったときキツネはとても悲しかっただろうな、悪かったなあと反省しました。そしてだれかを助けるときはまよわずやることにしようと決めました。
 
 男は子ギツネを助けたことでさずかったお金を上手に使って仕事をはじめることにしました。男の仕事はたいへんうまくいったそうです。

さし絵
池田 マキコさん

ことば

むしろ

わらや竹などで編(あ)んだしきもの。

ポイント

動物も同じ地球にすむ仲間です。いじめられていたら助けてあげたいもの。動物が安心してすめないような世界では人もきっとしあわせにはすごせないでしょう。


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